ジャンル | アドベンチャーゲーム |
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対応機種 |
プレイステーション2 プレイステーション・ポータブル Xbox(北米・欧州版) Windows(北米・欧州版) |
開発元 | コナミ・コナミコンピュータエンタテインメント東京 |
発売元 | コナミ |
人数 | 1人 |
メディア |
プレイステーション2: DVD-ROM 1枚 プレイステーション・ポータブル: UMD 1枚 |
発売日 |
プレイステーション2: [[image:テンプレート:Country flag alias Japan|border|25x20px|テンプレート:Country alias Japanの旗]]2001年2月22日 アメリカ合衆国の旗2001年3月5日 [[image:テンプレート:Country flag alias Europe|border|25x20px|テンプレート:Country alias Europeの旗]]2001年3月30日 [[image:テンプレート:Country flag alias Japan|border|25x20px|テンプレート:Country alias Japanの旗]](コナミ ザ ベスト)2001年11月22日 プレイステーション・ポータブル: [[image:テンプレート:Country flag alias Japan|border|25x20px|テンプレート:Country alias Japanの旗]]2009年10月1日 Xbox: アメリカ合衆国の旗2002年11月8日 [[image:テンプレート:Country flag alias Europe|border|25x20px|テンプレート:Country alias Europeの旗]]2002年11月8日 Windows: アメリカ合衆国の旗2002年6月22日 [[image:テンプレート:Country flag alias Europe|border|25x20px|テンプレート:Country alias Europeの旗]]2003年2月14日 |
対象年齢 |
CERO:B(12才以上対象)(PSP版のみ) ESRB: T |
『シャドウ・オブ・メモリーズ』(Shadow of Memories )は、コナミより2001年2月22日にプレイステーション2用ソフトとして発売されたアドベンチャーゲームである。
概略[]
タイムトラベルを題材としたゲームで、派手な戦闘や演出も無く主人公がただひたすら死を回避するために奮闘するというやや異色のゲームであり、発売当時はPS2の普及率がまだ低かったという事情も相まって日本国内での売り上げは振るわず、発売一週目では約10,000本を売り上げるに止まった。
直木賞作家の宮部みゆきが絶賛したゲームである。
2001年11月22日にベスト版が発売。2009年10月1日にプレイステーション・ポータブルへの移植版が発売。
日本国外では北米版と五ヶ国語(英、仏、独、伊、西)対応の欧州版が発売された。日本国外では国内以上の売り上げを記録しXboxとWindows用に移植もされている。なお、北米版はタイトルが『Shadow of Destiny』に変更されている。
ストーリー[]
2001年4月8日、レーベンスバウムの街を訪れていたアイクは、喫茶店を出て街路を歩いていた。その時、突然の衝撃に襲われ、倒れ伏すアイク。その背中には深々とした刺し傷が刻まれており、午後2時30分を告げる時計台の鐘の音を聞きながら、アイクは意識を失う。目を覚ましたアイクを待っていた物は、この世とは思えぬ奇妙な空間、そしてどこからか語りかけてくる声であった。その声が告げたのは、自分が死んだという事実、そしてアイクが「今日絶対に死ぬ運命」にあるという事だった。運命を変えるのに協力するという声の誘いに乗るアイクは、その声の主が持つという「時間を統べる力」の一部である転送機を受け取る。空間に開け放たれた門から抜け出ると、居場所は先ほどの喫茶店。店員に揺さぶられ覚醒し、店を出て時計を見ると午後2時。先ほどの体験を思い返すが、それが夢でない事はズボンのポケットに入っていた転送機が物語っていた。こうしてアイクは過去と現在の人物とかかわりあいながら、自身に降りかかる理不尽な運命と向かいあうことになる。
システム[]
このゲームは、プロローグと8つのチャプターで構成されており、主人公アイクがチャプターごとの様々な死の運命から逃れるべく、街を歩き回り特定の条件下でのみ使える転送機を駆使して過去に戻り、その時その時の「死の要因」を探りだし、それを排除していくのを目的としている。戻れる時間もごく近い過去から、1980年頃、1900年頃、1580年頃と多様。アイクを除く1900年の風景と人物はモノクロームで、1580年はセピアで描写されている。だが、1980年代は色は少し、淡いが現在と同じカラー。
ゲーム内の時間はリアルタイムで進み、またイベントを見る事によっても一定時間経過する。過去で時間を過ごしたとしても「現在」で同じ時間が平行して経過しており、転送機を使ってもその時刻にしか戻ることはできない。死の要因を排除できないままそのチャプターで定められた「死の時間」が訪れると、たとえ始めに死亡した現場に居なくとも死んでしまい、そのチャプターの開始時刻に戻る。ただし、過去を訪れたままで死の時間を迎えるとアイクの存在が消滅し、ゲームオーバーとなる。
街は広く様々な人物が生活しており、彼らとの会話内容も時刻や展開によって異なり、本筋とは関係の無いミニイベントや死の回避方法が複数用意されている場面もあって、自由度が高い。先のチャプターで行った事は多くの分岐を生み出し、後のチャプターにまで影響を及ぼすので全てのパターンを見るには繰り返しプレイする必要がある。また、プレイヤーの行動によって展開が変化し、最終的にエンディングまで複数に枝分かれするマルチエンディング方式を取っている。
エンディングは、A、B、C、D、E、とあり全てをクリアするとEXTRAシナリオがプレイできる。
ゲーム中のムービー及び会話はフルボイス。メモリーカードにはプレイの進行途中に保存したプレイデータとは別にシステムデータが保存され、このデータがある限りストーリーの最初からプレイを始めても、どのイベントやエンディングを見たのかは達成度として蓄積されていく。
そして、100%達成すると少々、変化があり、エンディングすべてを見ると流れる音楽が変わり、そしてムービーを全てみると静止画像もアイク→マルガレーテとダナにかわる。
ちなみに、EXTRAは主人公が自分の身に起こる結末をしっている設定から始まるシステムになっている。
タイムトラベル[]
基本的にプレイヤーはアイテムの取得・使用や人との接触によって過去を変える事で死を回避する事になる。過去を変えれば当然現在にも影響が出る事になり、それは現在から時間が離れた過去であるほど顕著。
過去から現代への「時間の経過」という要素もゲーム内で生かされている。例えばロープを過去の屋外に放置し現代に戻ると古くなって使えなくなってしまったり、子猫を過去の人物に預けると現代で大繁殖してしまったりする。
過去の街には現代に存在する者と一目で先祖だとわかる瓜二つな人物が生活しており、その趣味嗜好や人柄に共通点が窺(うかが)える。過去の人物にした事が子孫の代にまで影響を及ぼす事もある。
過去の世界ではその時点でのアイク自身に遭遇する事もある。その時アイク同士が接触してしまうとタイムパラドックスが巻き起こり、アイクの存在が消滅し、ゲームオーバーとなる。
登場人物[]
主要人物[]
- アイク・カッシュ ( Eike kusch )
- グリーンの瞳とブロンドの髪を持つ男性。身長180cm。年齢不詳で、主人公であるにもかかわらず謎の部分が多い。元フリーライターであり、偶然訪れたレーベンスバウムの街に不思議な魅力を感じ、その後も何度となく足を運んでいる。冷静で思慮深く、判断力に優れる。ダナには、「お父さんみたいね」などと言われ父親的な雰囲気をもちつつ、マルガレーテからは少し異性としての好意も持たれている。フーゴには、「お兄ちゃん」と呼ばれている。また、知人のエッカートとの会話から幼いころの記憶がない。
- ホムンクルス ( Homunculus )
- プロローグでの声の主。小柄で、青白い肌をしている。アイクが死の運命を変える事に協力するが、その真の目的・素性は一切謎。時をある程度自在に巡る能力を持ち、アイクに転送機を渡しアドバイスをする。何かと怪しい素振りを見せてアイクに怪しまれる。そして、体力があまりないらしい。20年前のエッカートの娘を連れ去った事件などなど、登場人物の過去などに深いかかわりを持っている。この物語の鍵となる人物。彼の一つ一つの言動にも何か深いものがある。物語の末彼の素性が明らかになる。
現代の人物[]
- ダナ ( Dana )
- 主人公が冒頭で訪れている喫茶店の店員。21歳の女性。身寄りが無く、自分の事を周囲から理解して貰えない孤独感を常に感じているがアイクには心を開き、楽しそうに会話する。だが、アイクが転送機を使う際に近くに居たため、時空移動に巻き込まれ所在がわからなくなってしまう。この物語の鍵となる「賢者の石」とかかわりがある。喫茶店「カフェゾンネ」の看板娘である。
- エッカート・ブルム( Eckart Brum )
- 私設美術館の館長を務めている46歳の男性で、アイクの知人。陽気な性格だが、どこか影を感じさせる面もある。1980年頃では若かりし時の彼と会う事ができる。
- 占い師
- 街の一画に店を構えており、全身を包むローブと目深に被ったフード、そして顔を覆うベールにより、その姿は僅かに覗くブロンドの髪しか窺う事が出来ない。アイクが死の運命にある事を言い当て、彼に助言を与える謎の人物。店を訪ねると、その時ごとに死の時刻の情報とアドバイスを与えてくれる。「旧錬金術師の家」に占いの館を開いている。
1980年頃の人物[]
- 1980年は、主要人物が2人で分岐にするルートによると、エンディングにかかわってくる設定になっている。
- オレーグ・フランセン
- カール・フランセンの子孫。400年前は画家で、100年前では、写真屋、今は映画監督。2001年の現代では少し年老いた彼が登場する。先祖代々、手先は器用。
- 陽気で人並みはずれたテンションを持つ。
- ミリアム・ブルム
- エッカートの妻。20年前の事件の被害者で命を落とす運命の持ち主。家に帰ろうとしていた時、娘と自分がともに射撃され彼女は命を落としてしまうが、娘の「ダナ」は行方不明になってしまう。プレーヤーの選択によれば、彼女の命を救うことも可能である。(娘・ダナを救うことは不可能)
- ダナ・ブルム
- エッカートと、ミリアムの第一子。20年前の事件で行方不明になった。アイクが見かけたとき、赤ん坊をホムンクルスにどこかに連れて行く所を目撃され、それがエッカートの娘である。いまだに消息は不明。
1902年頃の人物[]
特に、この時代は物語に沿った時代ではなく箸休め的な話になっている。
- アルフレッド・ブルム
- エッカート・ブルムのひいおじいさん。身形は、エッカートにそっくりで、初期の美術館館長。妻に先立たれ、悲しい思いでが詰まる家をどうするか迷っていたところを、アイクが「美術館にしろ」と提案し、美術館にした。
- シビラ・ブルム
- アルフレッドの娘、ブルム家の長女。父が、家を売ると聞いて不安になっていたところを、また彼女もアイクに救われた。少女にしては、しっかりした発言が目立つ。小さな弟の面倒もみている。お母さんはいないが元気な女の子。
- ブルム家の長男
- アルフレッドの息子。長男。名前は不明。見た目は、首が据わってないのでまだ0才くらいだと考えられる。母に先立たれた為、シビラに母代わりに育てられている。
1580年頃の人物[]
記載している年齢を始めとした記述内容は全てアイクが初めてこの年代を訪れた時点の物である。そして、話の軸となる、時代である。
- マルガレーテ・ワーグナー ( Margarete Wagner )
- アイクが中世に着いてすぐに出会う人物。豊かなブラウンの髪を持った16歳の明るく朗らかな女性。仕立ての仕事をしている。身分不相応の派手な格好をしているとして街の人間に絡まれていた所をアイクに助けられ、好意を持つ。現代に物凄い興味を持ち行きたがっている。
- この苦しい状況から救われたいようである。
- フーゴ・ワーグナー ( Hugo Wagner )
- マルガレーテの弟。素直で好奇心旺盛な12歳の少年。年に似合わず鋭い明晰な頭脳を持つ。姉を助けたアイクの事を慕ってくるが、家庭を顧みず、その上病気の母のことを心配せずに研究に没頭する父には反感を抱く。町の子供にからかわれたりなど非常につらい思いをしている。
- ウォルフガング・ワーグナー ( Wolfgang Wagner )
- フーゴとマルガレーテの父で、錬金術師。41歳。薬売りをしながら病気の妻を治すため万能薬「エリキサ」を作り出す研究を行っているが、そのためにやや家族をないがしろにしている。妻・ヘレナに先立たれた後目的が代わり人工生命体を作り出す実験を始める。そのため、町の人からの評価は悪く常に愚痴をたたかれている。
- ヘレナ・ワーグナー ( Helena Wagner )
- ウォルフガングの妻にして、マルガレーテとフーゴの母親。36歳。病弱で寝台から動けず、頬は痩せこけており視力も失っている。穏やかで夫思いの良き母。
- マルガレーテが18、フーゴが14の頃に死亡。
備考[]
舞台である「レーベンスバウム( Lebensbäume )」はドイツ語で、日本語における「生命の樹」といった意味。同名の都市がドイツに存在するわけではない。本作のプロデューサー、河野純子は公式ガイドブック[1]のインタビューで製作に当たって実際にドイツに取材旅行に行ったと語った。
また同インタビューで、本作はゲーテの戯曲『ファウスト』に強い影響を受けて製作したと答えている。キャラクターのマルガレーテ、ワーグナー、ホムンクルス等はファウストの登場人物の名前であり、開発中の仮題が『ワルプルギスの昼と夜』だったことからもそれは窺い知ることができる。他にも製作にあたり『バック・トゥ・ザ・フューチャー』等のタイムトラベルを扱った映画を参考にしたとしている。
PS2版のディスクには『サイレントヒル2』の予告映像が収録されており、これによってパッケージに暴力的な映像に対する注意を促すマークが付けられた。
開発元の一つであるコナミコンピュータエンタテインメント東京は2005年に閉鎖され、PS2版発売当時の公式サイトは海外版を含め全て閉鎖している。ただし、コナミTVchのコナミニュース、2001年1月23日掲載分は、本作の欧州記者発表イベントの様子を配信したものであり、発売当時の様子を垣間見ることができる。
脚注[]
- ↑ 『シャドウ・オブ・メモリーズ 公式ガイド』 NTT出版株式会社 2001年 ISBN 4-7571-8089-6